Sorry,Japanese only
Last Update 20021031

日の沈む国

 久しぶりのエッセイなのに....突然ですが,日本は駄目な国です.

 先日,いつものように新宿の行き付けの店で呑んだくれていたところ,偶然,大学時代の友人に遭遇しました.実は,この日は,新しいスキーグッズ(板,ブーツ,ビンディングにウェア...って全部じゃん)を手に入れ,ご機嫌だったのですが...
 さて,隣に座った友人と,二,三,言葉を交わすうちに,どうやら,彼が仕事というか,会社に不満を抱いているということが伝わってきました.
 最近,かわたは「日本における技術者の立場」とかを語るのが,バカらしくなってきたので,酔っ払いの場で語るのをやめたのですが(まぁ,この理由は簡単で,日本の多くの人々は,間違い無く,技術者とか,職人さんを蔑ろにしているから,こんな連中に,何を言ったって無駄だと悟ったからなんですが),彼は,酔いも手伝ってか,「無能な上司がスケジュール管理をしているのが信じられない」とか,「なんで,こんな無能が俺より給料良いんだ?」とか言っていました.
 私は,彼に海外を勧めました.海外と言っても,まぁ,アメリカとかがいいんじゃないか?とも言いました.なぜなら、日本は駄目な国だからです.
 日本人は我慢強いから,あんまり怒りませんよね? 自分の社会的立場について...無能な連中とでも笑顔で付き合えるその能力は素晴らしいのですが,あまりに馬鹿にした態度に対しては怒ってもいいと思います.

 さて,今年のノーベル賞は,カミオカンデを作ったおじいちゃん(失礼!)と,島津のエンジニアの二人が日本人受賞者として挙がりました.ここで,一技術者(一応,R&Dセンタ勤務なんで,研究開発職なんですが...研究している覚えは無いので,研究者とは言えません.好きですけどね,研究は.)としては,その背後に隠れた技術者をもっとクローズアップしてもいいんじゃないか?と思いました.
 素粒子の検出器に関しては,浜松ホトニクスの名も無きエンジニアの力がきっとあったはずだと思うし.島津にしても,装置を完成させたエンジニアの存在があったと思うからです.
 日本は,すごくおかしな国で,マスコミも,国民も,「モノを作り出している人々」を蔑ろにしていると思うんですね.例えば,TVというマスメディアに着目してみましょう.技術者という人々にターゲットをあてて特集のようなものを組むTV局って,NHKがいいところじゃないでしょうか?
 技術者の日々の一喜一憂を表現しているTVドラマ(連ドラ)があったでしょうか? たいがいのTVドラマは,営業だとか,商品企画だとかのナンパな職業がメインです.語弊が無いように言っておきますが,かわたは,営業をさげすんでいるわけじゃないです.優秀な営業の方々が,自分たちの作ったものを売ってくれるから,飯が食えるんですから...
 でも,彼らも,技術者(職人)が作ったモノがなければ仕事にならないんだ!ってことを理解してほしいなぁと思うんです.

 今日の日本は,円周率を3で教えている国家です.
 別にいいじゃん!といっている人々は,きっと,そういう教育を受けてきた子供達が,将来自分の部下になることが想像できない人達だと思います.少なくとも,かわたは厭ですね.そんな奴らを部下に持つのは.

 かわたは思うんです.例えば,円周率を教えるんだったら,これは,割りきれない数で,ず〜っと続いている数なんだってこと.そして,この数を,ものすごい桁まで計算している日本の学者がいたこと(某T大が有名かな?).こんなことを雑談で交えながら,数学とか,科学っていう世界の夢を語ってくれる先生がいてもいいんじゃないか?って思うんです.もちろん,そんな世界ばかりじゃなくって,体育でもいいです.何かについて,「やべっ,授業しなきゃ」ってくらい脱線して,熱く語ってくれる先生っていないんですかね? いませんよね.今の文部省が決めた指導要綱じゃ,無理です.

 あと,20年もすれば,日本はモノ作りができない国になります.
 恐らく,優秀な技術者は国外逃亡します.
 今まで,技術者や,職人とかを軽んじてきた人達が,気がつきます.
 「この国は,材料を加工して,高付加価値をつけた商品を売るしかない」
 そのときでは遅いんです.
 これを,

「教育は,国家百年の計」

 といいます.

...かわたのつぶやき


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