S1社の場合
このS1社は、最終面接(役員面接)で落ちてしまったものの、人事の対応等は大変良くかわたの中では好印象の会社です。
かわたの現在の専攻がまあ、専攻なものですからこの会社を受験するのはかなりためらいがありました。つまり、最初から相手にされないのでは?と思えたのです。しかし、すげーアナログ回路技術者になるのが、かわたの夢ですので、入社させてくれるなら、仕事をさせてくれるならぜひお願いしたい会社でした。この会社でなら、しっかりしたアナログ技術を身につけることができると考えたからです。
その後、応募書類を提出し、受験することにしました。一次試験と、二次面接を同一日に行なったので終了時はちょっと疲れてしまいました。しかし、二次面接のときは、あまり思うように自己PRできなかったので、「落ちたな」と思いました。
二次面接では、「そんなに回路が好きなのに、何で生物なの?」という質問が中心でした。この質問に対しては、今でも少し困ってしまいます。なにしろかわた自身、「生物」を学んできた覚えがないからです。生化学やら分子生物学やらのいかにも「生物」といった勉強は学部3年のときの1年間しかやっていませんし、学部4年で、研究室に配属されてからはずっと、趣味のように「実験に必要なツールを作る」といっては回路設計、製作ばかりしていたからです。自分の中では、「ちょっと出来の悪い回路屋」くらいに思っていました。
さて、だめだと思った二次試験を通過したので、役員面接を受けることになりました。会場に入って、質問が始まります。役員面接は、社長以下、人事1名、技術2名の計4名を相手に行われました。社長からの質問は一般的なものです。次に人事からの質問、これもそれほど難しい質問ではありません。しかし、これらの質問に答えている最中の技術2名の様子というか反応が、非常に劣悪です。
だめもとで、「かわたのような専攻の人間は、御社では仕事はできないのか?」というようなことを葉書で問い合わせたところ、その質問に対して電子メールでしっかり返答してくれたのには驚きました。(多くの会社は最初からシカト状態でしたから)その後、会社説明会に参加し、また、OBが技大に来るときも、連絡してくれて、OBと話をする機会も作ってくれました。
一次試験はSPIと英語の試験が行なわれました。英語は英検2級〜3級くらいの問題でした。
といった雰囲気がただよってきます。
最後に、雰囲気の悪い技術からの質問です。「高専ではどういった実験をやってたの?」といった質問をされたのですが、高専のことを聞かれてもなー、と思ってしまいました。一応、「低周波の増幅器とか、振幅変調回路とかをやりました。周波数的には1MHz以下の回路が中心です。」と答えました。こう答えても、質問した技術の人間はうつむいたままです。
しかし、かわたとしては独学で回路をやってきたつもりで、自分自身でいろいろな回路を経験したつもりですので、今やっている回路についても語りました。しかし、技術の人は、「それは、自分でやったことだよね〜」と言ったきりです。
かわたは、自分自身で学校の授業を聞く以上に情熱を持って回路に取り組んできたつもりだ、と言いたいのですが言うチャンスを与えてもらえず、次の技術の人へ質問が移りました。
次の人は、かわたの研究について聞いてきました。「報知音の改善ということだけど、なんで、聞こえやすい音や聞こえにくい音が生じるのか?といった方向から調べてみないの?」といったことを聞いてきます。かわたは、「高齢者に聞こえやすい音、聞こえにくい音というのがはっきりしていないので、まだ、そういった事を調べる段階ではないと思うのですが」と答えましたが、技術の人は、「たとえば、ドルビー・サラウンドのプロセッサだって、実際の信号を歪ませているんだけど、その歪んだ音が臨場感のある音に聞こえるわけだよね、だから、そういった人間の聴覚について考える方が生物機能工学という感じがすると思うんだけど」と言ってきます。どうも、かわたはこの人が一体何を言わんとしているのかさっぱりわかりませんでした。高齢者の聴覚特性上、どのような音が聞こえやすいのか、あるいは聞こえにくいのかわかっていないのに、どこをどう考えると「なぜ?」という疑問を発することができるようになるのでしょうか?
今後、高齢者に聞き取りやすい音が判明した後で「なぜ、この音が聞き取りやすいんだろう?」と考えることはできます。しかし、現時点では何もわからないのです。この人は、
としか思えません。あるいはかわたの研究テーマ自体を否定したいのでしょうか? どうしょうもないので、「それは、今後の課題だと思います」と答えるしかありませんでした。
こんな感じで、役員面接を終えました。最後には「だめだな、こりゃ」と思いましたが、案の定、次の日には「不合格」という電子メールが届きました。
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